週に一度の定例ミーティング。その資料作りに、毎週30分から1時間かかっていないでしょうか。道の駅や観光施設なら、先週の売上、各売場からの報告、今週のイベント準備。書く内容の構成は毎週ほぼ同じなのに、毎回ゼロから作り直している——そんな現場は少なくありません。今回は、この週次資料の作成をAIで半自動化する手順を、そのまま使えるプロンプト全文つきで紹介します。

「全自動」ではなく「半自動」がちょうどいい理由

週次資料は、よく見ると「毎週変わらない骨組み」と「毎週変わる中身」の二層でできています。骨組みは資料の構成と書式。中身は今週の数字や報告です。半自動化とは、骨組みを一度だけ固定してしまい、毎週の仕事を「中身を集めて流し込むだけ」に変えることです。

全自動にしない理由もはっきりしています。数字が正しいかの確認と、どの議題を優先するかの判断は、会議の中身そのものだからです。ここまでAIに任せると、間違った数字がそのまま会議に出たり、大事な相談が後回しになったりします。任せるのは「集めた材料を読みやすく整える」部分だけ。それでも、資料作成の時間の大半はこの清書に使われているので、効果は十分にあります。

図1: 週次資料の半自動化の全体像。毎週変わる材料と変わらない型を分け、AIが清書し人が確認する流れ

半自動化の手順(5ステップ)

ステップ1: 直近の資料から「固定フォーマット」を作る

先週の資料を開き、見出しだけ残して中身を全部消します。資料がなければ、次の4項目から始めてください。①先週の数字(売上・客数・前週比)②各売場からの報告 ③今週の予定(イベント・納品・シフト)④相談したいこと。

ステップ2: 材料の「ため場所」を1つ決める

スマホのメモアプリでも、事務所の紙1枚でも構いません。週の間、報告や連絡ごとを思いついたその場で箇条書きで放り込みます。きれいに書く必要はありません。「土曜 団体バス2台 弁当追加」程度の走り書きで十分です。

ステップ3: 会議の前日、プロンプトに流し込む

以下のプロンプトの【今週の材料】に、ため場所のメモをそのまま貼り付けて実行します。

あなたは道の駅の週次ミーティング資料の作成担当です。
以下の【固定フォーマット】の順番に【今週の材料】を整理して、
A4一枚の会議資料に清書してください。

条件:
- 材料にない情報を足さない。数字は一切書き換えない
- 材料が見つからない項目は「(未記入)」と書いて残す
- 報告は1項目2行以内に要約する
- 「相談したいこと」は、何を決めたいのかが分かる一文に直す

【固定フォーマット】
1. 先週の数字(売上・客数・前週比)
2. 各売場からの報告
3. 今週の予定(イベント・納品・シフト)
4. 相談したいこと

【今週の材料】
(ここに、ため場所の箇条書きメモをそのまま貼り付ける)

このプロンプトの肝は「材料が見つからない項目は(未記入)と書いて残す」の一行です。(未記入)の欄は「まだ集まっていない情報」をそのまま教えてくれるので、下書きが会議前の抜け漏れチェックを兼ねます。前日の時点で「先週の数字がまだ来ていない」と分かるのは、それだけで価値があります。

ステップ4: 下書きを人が確認する

数字は元のメモと指差しで見比べます。「相談したいこと」の並び順(どれを先に話すか)も人が決め直します。ここは半自動化しても削らない工程です。

ステップ5: プロンプトと資料を翌週用に保存する

使ったプロンプトをメモに保存すれば、2週目からは【今週の材料】を差し替えるだけ。ここまで来て初めて「半自動化」と呼べる状態になります。

現場でよくある落とし穴3つ

  1. 材料集めを当日の朝に始める。 半自動化の本体は、実はプロンプトではなく「ため場所」です。当日朝に記憶をたどって材料を集めるなら、従来のやり方と変わりません。
  2. AIの清書で数字が変わる・丸められる。 「約120万円」のような丸めや、前週比の計算間違いが起きることがあります。プロンプトで「数字は一切書き換えない」と指定した上で、最後の確認は人が行います。
  3. フォーマットを毎週いじる。 使い始めると改善したくなりますが、まず4週間は同じ型で回してください。型が毎週揺れると先週との比較ができなくなり、結局「毎週の作り直し」に戻ってしまいます。

図2: よくある落とし穴3つと、それぞれの対策の対応表

なぜ「フォーマットが先、プロンプトが後」なのか

順番を逆にして、便利なプロンプト探しから入ると長続きしません。固定フォーマットは「うちの会議で毎週何を確認するか」という合意を紙に落としたもので、これ自体が自社の資産です。実際、フォーマットを作る過程で「そういえば売上の数字を毎週決まって見る場がなかった」と気づくこともあります。プロンプトはその資産を清書する道具にすぎず、AIツールが入れ替わっても型は持ち運べます。

明日やれる一歩

明日、直近のミーティング資料(なければ会議のメモ)を開き、見出しだけ残して中身を消した「固定フォーマット」を作ってください。10分で終わります。あわせてスマホのメモに「来週の会議」というため場所を1つ作っておけば、半自動化の半分はもう完成です。来週の会議の前日、たまった材料をプロンプトに貼り付けたとき、資料作りが「書く仕事」から「確認する仕事」に変わっていることに気づくはずです。