「暑中見舞いを出したいけれど、書き出しで手が止まる」。道の駅や観光の現場では、夏の繁忙期と挨拶状の時期がちょうど重なります。後回しにしているうちに立秋(8月7日ごろ)を過ぎて、今年も出しそびれた——そんな経験はないでしょうか。AIに下書きを任せれば、この「書き出しの壁」はなくなります。ただし、そのまま頼むと挨拶状が宣伝チラシに変わる落とし穴があります。

そのまま頼むと「宣伝チラシ」になる

AIに「暑中見舞いを書いて」とだけ頼むと、時候の挨拶のあとに商品案内が並ぶ、営業案内のような文章が出てきがちです。挨拶状の目的は売ることではなく「覚えていますよ」と伝えること。そこで、AIに渡す欄を3つに決めます。①誰に出すか、②地域の季節の話題(ここだけは人が書く)、③守ること、の3つです。

図1: AIに渡す3つの欄。誰に・地域の季節の話題・守ることのうち、季節の話題だけは人が書く

道の駅から常連のお客様に出す場合のプロンプト例です。

以下の条件で暑中見舞いの文面を作ってください。
【誰に】直売所によく来てくださる地域のお客様
【季節の話題】朝採りの枝豆が最盛期。今年は暑さで甘みが強い
【守ること】
- 商品の宣伝や来店のお願いは書かない
- はがき1枚に収まる長さ(150字前後)
- 結びは相手の体調を気づかう一文にする
- 8月7日以降に出す場合の「残暑見舞い」版も併せて作る

季節の話題だけは、人が書く

なぜ②だけ人が書くのか。「盛夏の候」のような決まり文句はAIの得意分野ですが、それは誰が出しても同じ文面です。挨拶状で相手の記憶に残るのは、「枝豆が最盛期」「今年は雪が早い」といった、その土地の今しか書けない一行のほう。ここを空欄のままAIに埋めさせると、どこに届いても成り立つ、顔の見えない挨拶状になります。逆に言えば、この一行さえメモできれば、あとの組み立てはAIで十分です。

そしてこの型は使い回しがききます。頭語と【季節の話題】を差し替えれば、残暑見舞いにも、雪の便りを添えた年賀状にもそのまま使えます。年3回、同じ型で出し続けることが、地域のお客様との細い糸を保つ仕組みになります。

図2: 同じ型を暑中見舞い・残暑見舞い・年賀状で使い回す。差し替えるのは頭語と季節の話題の一行だけ

明日やれる一歩

上のプロンプトの【季節の話題】を、今日店先で見たことに書き換えて、まず1通分の下書きを出してみてください。立秋の前なら暑中見舞い、過ぎていれば残暑見舞い。毎年出しそびれていた挨拶状を、今年はAIの下書きで間に合わせる好機です。